サドベリーバレースクール(アメリカ・マサチューセッツ州)
「世界一素敵な学校」のミムジー・サドフスキーによる
1968年創立以降たくさんの卒業生について、
卒業後、どんな人生を送っているのか等について、いろんな調査・研究が行われてきた。
特徴1.仕事を積極的に情熱を持って探求
◎自分からネットワークを広げ、自身を持って履歴を書き、面接においてハッキリ自分を語れる人が多い
◎起業家になる比率が一般より高い
◎職種はさまざまだが、コンピューターや数学的な職業、教育の分野の仕事で高い比率を示している
◎人々を助ける専門職で、一般より数倍もの高い比率を示している。人の役に立ちたいという理由で仕事を選んだものが35%にものぼる
◎芸術分野でキャリアを追求する者も非常に多い
特徴2.困難への挑戦
◎「自分の関心を自由に追及した子どもたちは困難から顔を背けるものだ」という誤解や先入観を持っている人もいる。しかし、卒業生たちは「もっとも望ましい人生とはチャレンジに充ちたものである」と知って、「意味ある仕事」を見つけようとしている。
特徴3.大学進学の場合
◎90%が大学などフォーマルな環境に進学。
◎大学生活において大半の卒業生が一般の学生より優位性(アドバンテージ)を自分たちは持っていると自覚している。自分の力を信じていて、自分自身の動機を持っていて、もともとサドベリーでは自分ひとりで学んできたからである。
◎自分が立てた目標に自分を駆り立てていくことができるので、大学での学びも楽に感じている。
特徴4.生涯学習者である
◎高等教育機関に行こうと行くまいと、卒業生たちは自分の教育を継続している。
◎人生を選び取ることができる、年齢を積み重ねながら学んでいくプロセスの中で幸せを感じている。自分自身の人格形成に満足している。
特徴5.人生を楽しみ味わう
◎「人間関係」「個人的な目標の実現」「情熱の持てる活動」「自然をいつくしむ」
◎経済的な問題を気にしている人はとてもすくない。
◎30代半ばに到達するまでに自分自身の環境をかなり幸せだと思うようになる
特徴6.価値観
◎自分の価値観についてじっくり考え、注意を払っている。
◎生活を見直しながら絶えず自分の理想にふれている「平等主義」「自由」「他者への尊敬」「責任」「自己実現」「幸せ」といった諸価値が、日常生活の指針となっていると感じている
特徴7.コミュニケーションの力
◎90%が他の人ときわめて良好な人間関係を結んでいこうと思っている。自分自身を高めていくために、腰が引けても、それを乗り越えていけるだけのコミュニケーション能力こそ重要としている。
◎他者に対し心を開いていくことが、自分が子どもをもち親となったときも親としての力を高めてくれたとも、かなりの数のものが述べている
特徴8.柔軟さと忍耐力
◎自分に対して高い自信が卒業生全般的にある。そのために、人生の変化や後退への対処が柔軟かつ忍耐力をもってのぞめる。
まとめ
サドベリーバレースクールで得たものが、その後の人生に影響を及ぼしていると多くが語っている。それはスクールでの歳月を通じ、とても基本的な形で自分が一人の対等な人間として扱われたので、「自分自身を知り」「自分に自信をもち」っているからである。
また「時間の無駄使いをしない」ことを自分の時間を自由に使うことから学び、自分自身の人生をコントロールできているという感覚を強くもっている。
困難に出会ったときもどうしたら自分を力づけることができるか、驚くべき明晰な理解を手にしている。「深い幸せ」を感じている人が多い。